細い絹糸のような被毛に覆われた、気品溢れるその容姿が特徴のヨークシャテリアは、
イギリス原産の超小型犬です。
「動く宝石」と賞されるほど、ヨークシャテリアの被毛は美しく、
またスタイルも抜群です。
イギリスのヨークシャー地方が原産地である事から、この名前が付けられました。
「ヨーキー」との愛称でも知られています。
ヨークシャテリアは、1800年代初めに、
テリア種の小型犬とマルチーズなどとの交配で作られ、
一般家庭にペットとして普及したのも戦後の事と、比較的歴史の浅い犬種です。
今は愛玩犬として名高いヨークシャテリアですが、
実は間接狩猟犬としてネズミ捕りなどで活躍、
労働者階級によって飼育されていた犬種です。
その頃は今よりもずっと体格も大きかったと言われます。
その後、小型化の動きが高まり、テリア種との交配が繰り返され、
今現在のようなスタイルに近づきました。
小型化されてからというもの、ヨークシャテリアは上流階級の
貴婦人達のペットとして大流行し、一躍愛玩犬としてトップクラス入りを果たしました。
現在、その美しさから、ショードッグとしてもかなりの注目を集めており、
被毛や毛色などの評価項目が、他の犬種に比べてかなり厳しく定められています。
日本では、皇太子妃の実家で飼われていたペットとして注目を集めた事で、
一時的に流通価格が高騰した事もありました。
今もその人気は健在で、日本の人気犬種ランキングでは、
トップ10の常連となっています。
ヨークシャテリアは陽気で活発、好奇心旺盛で探究心の強い性格です。
また人懐っこく、愛情深くて甘えん坊、飼い主にも忠実です。
飼い主とのスキンシップを好み、遊びが大好き。攻撃性も低く、辛抱強い性格なので、
子供のいる家庭でも安心して飼うことができる犬種と言えます。
利口で感覚が鋭敏、小柄ながら勇敢で警戒心も強いので、番犬としても大変優秀です。
また、物覚えもいいので、訓練性も優れています。
そんなヨークシャテリアの忠誠心、嗅覚の鋭さなどから、
盲導犬、警察犬、麻薬探知犬などとしても活躍。
最近ではセラピー犬*として、人間社会に貢献している事でも有名です。
そんな非の打ち所のないヨークシャテリアですが、
その可愛い容姿についつい甘やかしてしまうことも多いかと思います。
しかし、もとは猟犬でテリア種なので、負けん気が強く、
興奮しやすい傾向があるので、しつけを怠ると無駄吠えの多い、
ただのわがままペットになってしますので注意しましょう。
また、寂しがりやな性格ですので、コミュニケーションが不足すると、
いたずらに走ったり、攻撃性が出てくる事もあります。
この事から、留守がちの家には向かない犬種と言えます。
ヨークシャテリアは、「目で話が出来る犬」と例えられる程のまっすぐな眼差しで、
見るものすべてをとりこにしてしまうほどの魅力を持った犬種です。
*セラピー犬とは:ふれあいや交流を通じ、病気や怪我、
精神的にダメージを受けた人への安らぎとして、
心と体を癒す働きをするように訓練された犬の事。
ヨークシャーテリアは、1800年代初め頃、イギリスのヨークシャー地方で、
現存していないペイズリーテリアや、ダンディディモントテリア、
ウォーターサイド・テリアなど数種のテリア種を基に、
ネズミ捕り目的の間接狩猟犬として作り出されました。
中でも、被毛の美しいウォーターサイド・テリアの影響が強いと考えられています。
当初は「ブロークン・ヘアード・スコッチ・オア・ヨークシャー・テリア」と
命名されましたが、あまりにも長いことから定着せず、
現在の「ヨークシャテリア」になりました。
また、当時は今よりもかなり大きいサイズで、
小型化のためにマルチーズなどの小型犬と交配・改良が重ねられ、
今のスタイルに近づいたと言われます。
このように、あまり華々しくはない生い立ちを持ったヨークシャテリアを、
当時の富裕層の愛犬家達は見下す傾向にありました。
しかし、上流階級の間で、ヨークシャテリアの被毛の美しさに注目が集まり、
「動く宝石」と呼ばれるまでになりました。
その後、一気に人気が爆発、貴婦人の抱き犬として
一躍愛玩犬として脚光を浴びる事になります。
ヨークシャテリアが現在のようなサイズやスタイルに定着したのは、
1900年代に入ってからで、犬種としては比較的歴史が浅い方です。
日本には戦後から本格的に輸入され始め、高度成長期の流れとともに、
座敷犬ブームにのって人気に火が付きました。
そして、ポメラニアンやマルチーズとともに
「愛玩犬御三家」と呼ばれるほどになったのです。
現在も、ジャパンケネルクラブ(JKC)の登録犬数は
常にトップ10以内をキープするなど、安定した人気を誇っています。